〜秘密〜
君の秘密を知ってからの僕は気持ちの置き場に困っていた。
君は僕が君の秘密に気付いてしまったことをまだ知らない。
だから 僕も気が付かないふりをしている。
でも その気持ちも限界かもしれない。
君が勇敢な王子だと思っていたときは最高の親友だと思っていた。
真剣な剣術の勝負だって、殴り合いのケンカだって平気で出来た。
君はそんな僕に負けるとも劣らないだけの力を備えでいた。
力ではなくしなやかな身のこなしで僕を交わしていく。
でも あることがきっかけで君が勇敢な王子ではなく
本当は美しい姫だと気が付いてしまったんだ。
だからといって僕達の友情になんら変わることは断じてないのだが
僕の気持ちの中で自分でも理解できない何かが生まれてしまった。
君を守りたい・・・・
そんな僕の気持ちも知らずに遠乗りで疲れてしまったのか
大木にもたれて僕の横で小さな寝息をたてている君。
肩越しに伝わる君の暖かさや柔らかな髪が僕の気持ちを
更に複雑なものにして行く。
自分の中にこんな純情な心が残っていたのかと笑ってしまう。
僕はそっと君の頬にキスをした。
これは僕の秘密だ・・・秘密のキス・・・・
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