さんざしの森から始まる物語 再会編 第2話




「サファイア様!一体こんな時間までどこにいらしたのですか!?」
「ば・・ばぁや・・そんなに怒らないでよ。」

サファイアにとって両親以外でただ一人逆らうことの出来ない相手が
そこに立っていたのである。

「サファイア様が正門から帰られる訳はありませんのでいつもの抜け道で
お待ちさせて頂きました。」
「ここの道がサファイアの抜け道だってバレテたんだ・・・」
「それに何を隠していらっしゃるのですか?
ばぁやに見せられないものですか?」

「あ・・・これは そのう・・・言えないの・・・」

生まれた時から愛しんで育てたサファイアの様子がいつもと違うことに
乳母は敏感に気が付きました。
しかし 本人が話す気になれないのなら今は聞く時期ではないと感じた乳母は
優しくサファイアを抱きしめました。

「サファイア様。私はいつでもあなた様の見方でございますよ。
私に出来ることなら何なりと申して下さいませね。」

乳母の優しい言葉に涙がこぼれそうになるのを必死に耐えられたのは
幼い頃から毅然とした態度を取るように教育された賜物だろう。

「あのね このドレスをクリーニングしてゴールドランドのフランツ王子宛に送ってほしいんだ。
差出人は書かなくていいから・・・
何も聞かないで お願いを聞いてくれる?」

「えぇ・・わかりましたわ。何も聞きませんから安心して下さいませ。
ドレスのことは私に任せて サファイア様はもうお休みになって下さいませ。」

部屋に戻ったサファイアはどうしても眠ることが出来ませんでした。
そのままデスクに向かったサファイアはいつも使用している便箋を取り出し
フランツ王子に手紙を書くことにしました。
伝えたい想いは沢山ある、でも 今はどの想いも伝えてはいけないことも良くわかっている。
気持ちがまとまらずに明け方までサファイアの持つペンは止まっていました。

明け方になってやっと書き込まれた言葉・・・
差出人の名前もないその手紙に書かかれたただ一言の言葉・・・

『約束は お守りします』

サファイアはいつものように、その手紙に蝋封印をするのでした。


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