さんざしの森から始まる物語 相愛編 第1話



「あぁ〜〜 もうじっとしていたら頭が変になっちゃいそうだよ。
ねぇ うらなり博士、今の僕は書類決済の能率が落ちていると思わないか?
さすがに朝から同じ事をしてるとさぁ・・・・飽きちゃうだろ?」

「サファイア様は一度逃がすとなかなか捕まえられませんからね。
今日はこの書類の決済を済ますまでお出かけは許可できませんぞ。」

「でもね こも状態だったら今日中には処理できないって言ってるんだよ。
お願い ちょっとだけでいいから外に出てもいいでしょ?
すぐに戻ってくるからさぁ 気分転換させてよ。
ねぇ・・お願いだから・・・ね。」

忍耐力が強いサファイアと言えども書類決裁に3日も城に閉じ込められていては
我慢の限界に達しているようです。
活発なサファイアにとって長時間机の縛られていることはかなりの苦痛なのでした。

ウラナリ博士とて十分サファイアの性格は理解していたが、今日中に堆く詰まれた書類の処理を
今日中にお願いしたかったのです。


「サファイア そろそろ城から抜け出したいと博士を困らせている頃ではありませんか?」

そう言いながら王妃が様子を伺いに来たのでした。

「お母様はサファイアの事は何でもわかっちゃうんだな。」

王妃にズバリと言い当てられたサファイアは苦笑いしするしかありませんでした。

「生憎だけどあなたは城から抜け出せそうにもないありませんわよ。
お客様がいらしてますわ、あなたの部屋に通してますから早くお行きなさい。」

「僕の部屋に?その者はお母様からみてそれ程までに信じられる人間なのですか?
サロンではなく僕の部屋に・・・?」
「えぇ 信じられると感じましたわ。あなたの力になる方だとね。
実を言うとチンクちゃんからあなたの親友だと聞いたのですよ。」

僕に親友っていただろうか?
人当たりもよく人見知りのないサファイアはどんな相手とも仲が良いと言えただろう。
しかし誰とも深い友情を育みはしなかったのだ。
親しくなれば自分の秘密を知られる可能性があったからだ。
自分が女だという秘密。

『この僕がサファイアの力になるって言ってるんだ。』

不意にサファイアの脳裏にフランツの言葉が蘇りました。
きっと来客者はフランツ王子に間違いないだろう。

そう思うと自然と自室に戻る足が早くなるのだった。


・・・・・・・・会いたい・・・・・・・・・

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