さんざしの森から始まる物語 相愛編 第3話



サファイアの悲しそうな瞳を見たフランツは不思議な感覚に捕らわれていました。

あれ・・・この感覚は何だろう?
僕はこの感覚を知っているぞ。
だが 思い出せない。

「・・・れば、思い出さなければ・・・・・」

「一体何を思い出そうと言うんだい?」

「え?今 僕は何か言った?」

「サファイアの聞き違いでなければ『思い出さなければ・・』
と言っていたようだけどね」

「僕がそんな事を?
ならば聞かなかったことにしてくれないか  サファイア。」

何も言わずに頷くサファイア。

これ以上サファイアに問いかけられても答えられないだろうとフランツは感じていたのです。

「それよりも急に考え込んでどうしたんだ?」

不思議そうにサファイアが尋ねました。

「それは・・・いや なんでもないさ。」

まさかサファイアに関する事とは言えないだろ・・・
サファイアが姫なら君の事だと素直に言えるが君は王子だからね。
その時 フランツの脳裏にナイロン卿の言葉が蘇りました。

『サファイア様は女の子ではないかと言う噂があるのですが証拠がありません。』

噂ではなくサファイアが女の子ならば・・・姫ならば・・・・
根拠はない、証拠もない。
むしろ証拠という意味では完璧に王子でしかありえないと思う。
しかし 僕の中で君が女の子だという声がするんだ。
その声が僕の心の中でどんどん大きくなっていく。

「フランツったら一体どうしたんだよ。
笑顔になったり難しい顔になったりして見ていて飽きないよ。
ポーカーフェイスのフランツの百面相を見られるなんて僕はラッキーだね。」

「いや サファイアの豊かな表情には敵わないさ。」
「僕が・・・?僕の表情って言われても普通だろ?」

どこか心がくすぐられるような感じがしてクスクスと笑い出したサファイア。
フランツの言葉っていつも心のどこかがくすぐられるような気がするな。
でも 心地よいと思う。
いつまでも話していたいと思う・・・・

「それよりも僕の好きな少女の話ばかりしてごめんよ。
サファイアが想っている人は誰かいないのかい?」

僕は一体何を言っているんだろう?
サファイアが誰を想っているかを聞いてどうするんだ?
自分を想っているといって欲しいのだろうか?

ワカラナイ・・・ジブンガ ワカラナイ・・・・



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