さんざしの森から始まる物語 相愛編 第5話



「こんな憂鬱そうなサファイアを見るのは初めてだな。
サファイアにも苦手なものがあって安心したよ。
君は苦手なものなどありませんって雰囲気だったからね。」

「あぁ ダンスは苦手だな。
第一 どうしてあんなに密着して踊らなくちゃいけないんだ?
剣術ならどんなに近くに敵が来ても平気なんだが・・・・」

「おいおい 密着しないと踊れないだろ?
女性を腕の中に招き入れて優しくリードしてやらなくちゃダンスにならないさ。」

僕は誰と舞踏会に出たいのだろうか?
サファイア王子?・・・それとも亜麻色の髪の少女?
それとも・・・・サファイア姫?
でも サファイアが女の子だという証拠はないんだ。

「招き入れて欲しくはないな・・・」

フランツが女性と踊っている姿を想像して思わず拗ねたように
小声で言い捨ててしまったサファイアの言葉をフランツは聞き逃さなかった。

サファイアは今『招き入れて欲しくはないな・・・』と言ったよな。
それは・・・嫉妬?
それはサファイアが女の子だから?
それは僕のことを少しは想ってくれているということ?
でも どうやって確認する?
いきなり抱きしめたりしたら僕は間違いなく刺されるな。
刺されてもいいや・・・サファイアにならば後悔はない。

「サファイア・・・」
「・・・・・・!?・・・・・」

有無を言わさずフランツに抱きしめられたサファイアは状況の把握が出来ず
硬直したままフランツを見つめていました。
そしてフランツはサファイアの思考回路が正常に戻る前に尋ねます。

「サファイア・・・君は女の子だよね?」
・・・・・コクンと頷くサファイア。

「良かった・・・女の子で。
君を大好きになって・・良かった。」

サファイアの瞳からは心の緊張の糸が切れたようにポロポロと
大粒の涙が零れ落ちるのでした。

「ゴメンよ サファイア。
君を泣かせるつもりはなかったんだ。
君の秘密を無理やり聞き出してゴメン・・・君を傷つけて本当にゴメンよ。」

「・・・・・・・・・・・・・ごめんなさい フランツ。
沢山 沢山 ウソをついてあなたを騙していてごめんなさい。」

「たしかに騙されたな・・・・でも 君と出会えたのだからそれで良いよ。
君が女の子だったって事で全て許せるさ。
僕のサファイア・・・これからは一緒に君の悩みを解決していこう。
前にも約束しただろう、君の力になるってね。」

フランツは自分の胸で泣いているサファイアの髪を愛しそうに優しく撫でるのでした。



  1 2 3 4 5

 

[★高収入が可能!WEBデザインのプロになってみない?! Click Here! 自宅で仕事がしたい人必見! Click Here!]
[ CGIレンタルサービス | 100MBの無料HPスペース | 検索エンジン登録代行サービス ]
[ 初心者でも安心なレンタルサーバー。50MBで250円から。CGI・SSI・PHPが使えます。 ]


FC2 キャッシング 出会い 無料アクセス解析