さんざしの森から始まる物語 第3話


「へぇ、今夜 君の妃選びがあるのか。大変だね。」
「サファイア王子は人事だと思って楽しんでるように見えるぞ。」

「僕が楽しそうに見えるかい?だったら楽しんでいるんだろうね。
そうだ 僕も君の妃選びの舞踏会に見学させてもらおうかな。」

サファイアは別に楽しんでいるつもりはないのだ。
自分は妃選びをするわけにはいかないが、避けては通れないことだ。
知識としてどう対処するのかを知っておきたいと思ったのだった。

「何か企んでいるみたいな顔をしてるぞ 君は。」

フランツはコロコロと変わるサファイアの豊かな表情をみていることが楽しかった。
自分の周りの人間は決して自分に心を開かない。
何を考え感じているのかは仮面のような表情からは感じられない。
しかし サファイアは違うのだ。
サファイアからは何かわからないが暖かいものを感じるのだ。


「・・王子、フランツ王子ッたら聞いてるのか?」
いくら声をかけても返事のないフランツ王子に呆れながらも
どこか憎めないやつだと思うサファイアだった。

フランツ王子の舞踏会は夕刻からだろう。
ここからゴールドランドまではの時間を考えると今から向かわなければ
間に合わないことになる。
サファイアは指笛でオパールを呼び戻した。

「フランツ王子、君が本当に舞踏会に出たくないのならシルバーランドに招待しよう。
何も知らない僕が強引に招いてしまったというなら
君はこれ以上叔父上とケンカをしなくて済むだろう。
でも 妃選びがどうしても避けて通れないのならゴールドランドまで僕が送っていこう。
そして 君がどうやって道を切り開くか見届けよう。」

確かにサファイア王子は噂通りに頭の回転が速い。
的確に僕の心は読まれている。
でも 勝手に心に入り込まれたという悪い感じはしない。
フランツは暫く考えてから自分で結論を出した。

「叔父上には初めから今夜は妃選びをするつもりはないと宣言している。
しかし 各国の王女達を招いている以上僕が席を空けるわけにはいかないな。
僕はゴールドランドに向かうから森を抜けるまで道案内をしてくれないかサファイア王子。」

「もちろんさ、君はそう答えると思っていたさ。
そして 僕はフランツ王子がどんな腕前を見せてくれるかこっそり覗いてるよ。」

さんざしの森を二人はゴールドランドに向けて馬を蹴っていました。
短い間にも友情が芽生えた二人の王子。

でも ここはさんざしの森。
芽生えたのは本当に友情だったのでしょうか?


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