さんざしの森から始まる物語 第4話



ゴールドランドの大広間ではフランツ王子の妃選びの為の
舞踏会の準備が進行していた。
気の早い姫たちは既にゴールドランドに到着しており華やいだ雰囲気に包まれている。
そんな雰囲気とが裏腹に憂鬱そうな顔を隠しきれないフランツ王子。

「何を暗い顔をしているんだよ。
そんな雰囲気じゃぁ 周り押し切られて、どこかの姫と今夜婚姻させられるぞ。」

明るく話してはいるがフランツ王子が心配なのだ。
いや なんだろう この気持ちは・・・・
心配とは何か違う。
でも何が違うのかは今のサファイアにはわからないのでした。

「ねぇ フランツ王子。
君が本気で好きな女性がいれば問題解決なんだろう?
本当に好きな女性はいないのかい?」

フランツ王子に何気なく投げかけた自分の言葉にサファイアの胸が<ドキン>とした。
あれ 僕って何かおかしい?

「君の言うとおりだね。今の僕には愛している女性はいないんだ。
ガールフレンドなら沢山いるけどね(苦笑)」

「そうなんだ。ならば仕方がないね、今夜の舞踏会を無事に乗り切ってくれよ。
礼服を着ていないので僕が正式には参加できないな。
どこかからこっそり覗いて 君の女の子捌きの腕前を見せてもらうよ。」

「相変わらず君は楽しそうに言うけど こっちの身にもなってくれよ。
そうだ 礼服なら僕のを貸してあげるよ。
今のサイズでは大きいだろうが以前着ていた礼服なら君にあうはずさ。
そっちの白いクローゼットから好きな服を着て会場に来てくれ。
楽しみに待っているよ。君だけが唯一 僕の味方だからね。」

笑顔でそう言い残してフランツは部屋を後にしたのだ。

サファイアが誰かの服を借りるなんて初めての事だった、
その為に多少の抵抗があることは事実だ。
でも サファイアは知りたかった。
フランツ王子が今の状況からどう抜け出すのか。
そして もしも妃を選ぶならどんな姫を選ぶのか・・・
どんな姫をフランツ王子が好きなのかがとても気になるのだった。

フランツ王子のクローゼットには沢山の礼服があった。
どれもセンスがよくフランツ王子らしいものだ。
サファイアはいくつかの服をあわせていただが、
クローゼットの奥に大きな箱があることに気が付いた。

その箱を開けて見ると淡い桜色のシフォンの素材のドレスが入っていた。

「ドレス・・・誰かへのプレゼントなのかな?
でも ちょっと着てみても良いかな?」

サファイアは少し躊躇しましたが そのドレスを着てみたのです。
「ドレス・・・僕にはやっぱり似合わないや。はやく 借りる礼服をきめなくちゃ・・・」


その時に誰かがドアをノックしたのです。

「この姿を誰かに見られるわけにはいかない!」

すぐに脱がなくては、でも脱ぐ時間がない。
サファイアは思わずフランツ王子の部屋の窓から飛び降りました。

運動神経の良いサファイアは難なく2階の窓から飛び降りて
会場の近くに停まっている芸人の馬車に忍び込みました。



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