さんざしの森から始まる物語 第5話


サファイアが忍び込んだ馬車の中に亜麻色の髪のかつらがありました。
芸人達が変装用に使うものだろうとは思うがサファイアには選択の余地がなかった。
 
「ごめん 勝手に借りちゃうよ。
でも これで僕だとはわからないだろう。」
 
このままフランツ王子の部屋に戻って王子の服に着替える予定だった。
 
「そこのプリンセス、舞踏会の会場はそちらではありませんよ。」
「あ・・・いえ 僕・・いえ 私は舞踏会に来たわけでは・・・」
「何を言うのですか あなたのように美しい方なら
きっと
フランツ様の目に留まることでしょう。」
「うつくしい?私のことですか・・・?」
「はい 私はあなたのように美しい姫を存じません」
 
舞踏会場に向かう途中のどこかの騎士は執拗にサファイアを
舞踏会場に誘うのでした。
 
困ったなぁ、王子の姿ならこんな奴に捕まることはないのに・・・・
うかつにドレスを着てしまった自分の 自分でも理解できない行動を苦々しく思っていました。
 
無理やり舞踏会場にサファイアを連れてきた騎士ははサファイアの傍を離れようとしません。
 
流れてきた音楽にあわせみんながダンスを踊りはじめました。
 
「美しい姫 僕と踊っていただけませんか?」
「いや 私はダンスは苦手なんだ・・あ、苦手ですのよ」
「僕がリードしましょう。」
 
言うが早いかこの騎士は無理やりサファイアの手をとって踊りだした。
美しいサファイアをみんなが注目している。
それだけで騎士の欲望を満たすのには十分だった。
しかし サファイアは自分のダンスが下手でみんなから怪しまれていると思っていたのである。
 
落ち着かないこの場所から早く逃げ出したかった。
うかつな自分の行動に腹が立つ。
こんな嫌な騎士に捕まって逃げられない自分に腹が立つ。
 
そんな時、周りがざわめき始めた。
そのざわめきの先にはフランツ王子が凛とした存在感を放っていた。
 
 
「フランツ・・・助けて・・・」
小さな声だが確かにサファイアはそう言ったのだ。
 
「今 何か言ましたか プリンセス?」
「いえ 何も申しておりませんわ。」
 
無意識に出てしまった自分の言葉に戸惑っているサファイアなのでした



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